ミステリとか

荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫)
『闘うベストテン!』の海外ミステリーで、確か4位だった作品。
はすっぱな女の子が結婚詐欺の片棒かついで、風が吹いたら消えちゃいそうなお嬢様のメイドに! コバルト文庫のビクトリアンな感じの歴史ものが好きな人ならかなりイケる。コバルト文庫の王子様の役どころがはすっぱな女の子になってます。もちろん恋敵(性格極悪)も。

荊[いばら]の城 下 (創元推理文庫)
ラストが気になって、ラストだけ読んでしまった。今度、最初から読み直すつもり。

嘘つき男は地獄へ堕ちろ (ヴィレッジブックス)
タイトルがかっこいい。ちなみに前作タイトルは「あんな上司死ねばいい」。

2人のダメ男が主人公の本作。1人はダンディなエリート会社員でいつも異性とヤルことだけにご執心。もう1人は、元自称エリートで現在はアポイトメントのバイトをしているギャンブル中毒者。いつも頭の中はギャンブルで一発儲けることでいっぱい。
2人の共通点はもそれぞれ違った美しさを持った妻がいること。
そのダメ男共が、自分の欲望のために自ら招いたトラブルを、ダメ男なりにダメ思考回路で頑張って解決しようとするのだけど……。

この本のおもしろい所は、全体に書き連ねられた人間の邪悪さです。その描写の仕方は強い悪意が詰め込まれていて、普段世の中に感じてはいるけど大人力で覆い隠している悪意を気持ちいいくらい書き連ねてくれているのです。

同じダメでも違うダメの2人の主人公。どちらのダメに共感するかは人によって違うと思うのですが、私はギャンブル中毒者のほっんとにダメな男の心のつぶやきにとっても共感してしまいました。すべての嫌な出来事をギャンブルで解決しようと思ってしまう普段理解出来ないであろう思考も共感出来てしまったのです。
そして、決して許されないことを仕出かしたギャンブル男が迎える結末が本当に最高です。ありえないんです、名探偵が出てきて事件を解決するのも、正義感が強いイケメンがハッピーエンドを迎えるのも。
しかし、デッドエンドかというと、そうなんだけどそうでもなく、とっても清々しい気持ちになれるのが本作の特徴です。

社会派くんがゆく!逆襲編

真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A

真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B